我が名はバイク乗り!!


私の友人Tはバイクが好きだ!!
でも、バイクは生身の人間が丸裸の状態で
「ジャジャ馬に乗る」ようなもの!!
車のようにエアバックやABSなどの安全装備は無い・・・
キケンでもあり、また人の心を熱くさせる乗り物でもある。

ある日、Tはいつものようにバイクと共に風になっていた。

郊外の国道、反対車線は行楽地からの帰りの車で渋滞、
その渋滞の列から突然、
1台の車が彼の走行ラインを塞いだ

次の瞬間、
彼は宙を舞っていた・・・

しばらくして気が付くと、一人の男性が
心配そうな顔つきで自分を覗き込みながら
「大丈夫ですか・・・ケガは無いですか・・・」と・・・

廻りを見渡す、自分は道路わきの歩道にいた、
バイクは10mほど向こうに無残に横たわっていた・・・

Tは自分が
事故ってしまったことに気が付く、
一瞬にして全神経が体中の異常探索に出かけるが、
自覚的損傷は認められない・・・

パニクる脳みそを必死に落ち着かせ、
廻りの状況を確認する・・・明らかに自分は事故った事を再認識する。

渋滞で停車中の車両からは、少しイタイ視線が
自分に降り注いでいることにふと気付く・・・

「大丈夫です・・・」
と言いながらスクッっと立ち上がった。

Tのバイクが突っ込んで、突然の衝撃に見舞われたその男性も
立ち上がったTを見て、緊張してこわばった顔が少し和らいだ・・・


のもつかの間、男性の顔が一気に青ざめた

「君・・・足・・・足が・・・」

立ち上がって、自分の体を支えているであろう自分の足に視線を移す、
そこには、さっき異常無しと判断した自分の体があるはず・・・

が、しかし



Σ( ̄□ ̄;)!! Σ( ̄□ ̄;)!! Σ( ̄□ ̄;)!!

「ヌぎゃ唖゛あ゛○ぅ゛△♪#☆※ぁ〜〜〜!!」



Tは、ひらがな、カタカナ、漢字、
あらゆる日本語を駆使しても表現できないような
叫び声を上げて、
その場で気を失った・・・

気が付いた時には病院のベッドだった。

彼はそこで何を見たのか・・・



そう、彼は

「向いてはいけない方向に向いてしまった自分の足」

を見てしまったのだ・・・。

複雑骨折で全治2ヶ月、骨盤の骨を一部移植するという大きな手術だったが、
今はすっかり完治し、後遺症も無く(実は少しあるが・・・)元気に暮らしている。

こんな話しをすると、少しダークな気分になってしまうが、
この話しを聞いたのはTが事故を起こしてから随分後の話し。
事故で骨折して入院と聞いた時には、もちろんお見舞いにも行った・・・

しかし、事故を起こした時の状況を後に聞いた時には、
笑ってはイカンと思いつつも、
本人を目の前にして大爆笑してしまった・・・!!

さすがに本人も
「スクッっと立ち上がったのに、足が折れてて気絶した」とは
その時には言いにくかったのだろう・・・(笑)

「大丈夫です」・・・なんて言いながら、オシリのあたりをパンパンと
手で払って立ち上がったのに、自分のひん曲がった足を見て、
解体工事で倒れる煙突のように、直立のままぶっ倒れたT・・・

あなたも頭の中で想像してみてください・・・まるで 
江頭2:50 さながらです (笑)

でも、こんな事を言って笑ってられるのも、Tが無事だったからで、
もし、その瞬間に人生を終えていたり、重度の後遺症が残ったりしていたら
笑い話では済まない・・・やはり、バイクはキケンと隣り合わせだと言うことを
十分に胸に刻まなければならない。

そんなTは、他にも大きな事故を起こしたことがある。
高台からの下り坂、ちょうど坂を下ってきたところの交差点で、
自動車と出会い頭の衝突・・・

その弾みで、交差点の角にある歯医者の塀へ一直線・・・
そして、塀に激突し、
バイクだけを残してTは宙を舞った

で、
落ちたのは塀の向こう側の歯医者の中庭・・・
その歯医者は、診察室から中庭がガラス貼りで丸見え。

その歯医者の先生の話しによれば
「人が降ってきたのかと思い、ビックリした!!」と・・・

Tはこの事故でも、前述の足とは逆の足を骨折した。
そう、彼の足は両方とも骨折を経験しているのである (笑)

これも、一歩間違えれば悲惨な事故になるところだった!!

ジーパンにTシャツ、フルフェイスのヘルメット姿で宙を舞い、
歯医者の中庭へ着地・・・しかも足を骨折していて立ち上がれずにもがくT・・・

骨折の痛みもさることながら、いったいTは
どのようにしてその状況から逃れたのか・・・

「お騒がせしました〜」とでも言いながら、
ヘルメットの上から頭をかいていたりしたのだろうか???


想像するとなんとも笑えてしかたがない。

ちなみにTは、生命の危機とも言える事故に2度も遭ったにも関わらず、
今でもバイクを愛する男である・・・。


バイクとは、人を熱くさせる乗り物でもあり、
人を狂わせる乗り物でもある・・・


バイク乗りとは、実に
奥が深いものだ・・・。
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